お知らせ

news

第5回 静岡共同利用機器センター 共同利用機器セミナーのご案内

静岡大学 静岡共同利用機器センター ゲノム機能解析部では、共同利用機器である次世代シーケンサー(NGS)を活用した受託解析により県内外の研究機関との交流をさらに深め、共同研究ネットワーク拡大させることを目指しております。本年度も次世代シーケンサーとその活用事例、関連研究分野に関するセミナーを企画いたしました。皆様のご参加を心待ちにしております。

日時: 2024年 12月 10日(火) 10時15分 ~ 11時45分
場所: オンライン開催(Zoom) 

参加費: 無料

学内外のどなたでもご参加いただけます。

————
タイムスケジュール:


10:15 開会挨拶

10:17 ゲノム機能解析部 事業紹介

10:25 清水 隆之 先生 (奈良女子大学 研究院自然科学系)

ポリスルフィドと活性酸素による協調的なレドックス応答

ポリスルフィドは、太古の地球から生物を支えてきた生命素子として、その普遍性や重要性の点から近年注目を集めている。私は、ポリスルフィドと活性酸素の検知機構が化学的に類似していることに着目し、新たなレドックス応答機構の解明を目指している。 光合成細菌を材料にして、ポリスルフィド応答性転写因子SqrRと、活性酸素応答性転写因子OxyRにおいて、ポリスルフィドと活性酸素に応答した転写制御が一部で冗長的であることを見出し、その分子機構を解析している。本レドックス応答を網羅的に解析するために行ったトランスクリプトーム解析の結果と活用法を交えながら、本レドックス応答の分子機構と生物学的意義を議論したい。

10:50 大久保 智司 先生 (東北大学 大学院生命科学研究科 土壌微生物学分野)

シチズンサイエンスによる大規模土壌微生物叢解析

土壌中の窒素化合物は微生物のはたらきによって形を変え、その一部は温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)として大気中に放出されるが、土の中にはN2Oを窒素(N2)に還元する微生物も存在する。我々は、土の中から高いN2O消去能力をもつ微生物を見つけ出すことを目的として、シチズンサイエンス(市民科学)プロジェクト「地球冷却微生物を探せ」を開始した。開始から約3年間で日本全国から3,000個を超える土壌サンプルが集まり、各サンプルのN2O放出・吸収速度と16S rRNA遺伝子およびN2O還元酵素をコードするnosZ遺伝子を用いた菌叢解析データが得られた。本講演では「地球冷却微生物を探せ」プロジェクトの内容と得られたデータの一部を紹介する。

11:15 前田 太郎 先生 (慶應義塾大学 政策・メディア研究科 先端生命科学研究所)

動物での葉緑体リユースによる光合成能獲得

軟体動物(いわゆる貝類)の一部には、後天的に、藻類から葉緑体を取り込み光合成を行う種が知られている。葉緑体は光合成を司る細胞内小器官であり独自の環状DNAをもつ。しかしこのDNA中には、光合成に必要な遺伝子のごく一部しかコードされておらず、その大半は藻類や植物の細胞核DNA上にコードされ、転写翻訳後に葉緑体に輸送される。つまり、葉緑体の機能は、細胞核の制御下にあると言え、通常、単独では光合成を行えない。しかし、上記の軟体動物では、他生物種の葉緑体だけを、細胞内に取り込み、数日〜数ヶ月光合成活性を維持し、そこから栄養を得た後に消化する(盗葉緑体現象)。我々は、本現象を示す軟体動物チドリミドリガイのゲノムを解読し、クロスオミクス解析により、本現象の分子機構の解明を進めている。

11:40 フリーディスカッション

11:45 閉会挨拶

————

申込締切: 2024年12月8日(日)

[ お申込み ]
参加を希望する方は、2024年12月8日(日)までに下記お申込みフォーム あるいは QRコードよりお申込みください。お申込み締切後(開催日前日)にZoom meetingへの参加URLをご連絡いたします。当日は午前9:45頃からZoom会場を開く予定です。

https://forms.office.com/r/usmNC9ZDrj



[案内チラシPDF]

https://kiki.shizuoka.ac.jp/portal/wp-content/uploads/2024/11/kiki_2024048452.pdf

[ お問合せ先 ]
世話人:静岡大学 静岡共同利用機器センター ゲノム機能解析部 兼崎
E-mail:gene.lab[*]adb.shizuoka.ac.jp ( [*] を @ に変更してください)